389. デジタル・ニッポン2017と新産業構造ビジョン(案)の比較による日本のIoT産業革命成功のキーポイント

注) 本論考のPDFファイル

デジタル・ニッポン2017は、2017年5月23日に自由民主党 政務調査会 IT戦略特命委員会から発表された。(参考サイト1)
新産業構造ビジョン(案)は、2017年5月29日に、経済産業省 産業構造審議会 新産業構造部会(第17回)にて、発表された。(参考サイト2)

●デジタル・ニッポン2017では、次の5つの方針にて、現実世界のデータを、データ⇒情報⇒知識⇒知恵(参考サイト3参照)と昇華して、 付加価値の向上と、供給の効率化・集約化を実現して、労働生産性を向上させるという戦略を採用している。


●新産業構造ビジョン(案)では、多様な人・組織・機械・技術・国家がつながり、新たな付加価値を創出し、社会課題を解決することによって、
必要なもの・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の様々なニーズにきめ細かに対応でき、あらゆる人が質の高いサービスを受けられ、
年齢、性別、地域、言語といった様々な違いを乗り越え、活き活きと快適に暮らすことのできる社会の実現を目標としている。
しかし、その実現には、次の5つの壁を打ち破らねばならないとしている。
新産業構造ビジョン(案)が指摘した5つの壁の発生原因についての私の考えを下図に示す。

すなわち、5つの壁の直接原因は、「イノベーション領域を、既存のオペレーション体制(組織・ルール・知識・権威)で運営していること」と、考える。
そして、この直接原因の原因は、次の2つであると考える。

(1) オペレーション領域のマネジメントと、イノベーション領域のマネジメントの混同
(2) イノベーションを主導できる尖り人材や目利き人材の登用と使いこなしと決断ができる名経営者の不足


デジタル・ニッポン2017の実現においても、新産業構造ビジョン(案)が指摘した5つの壁は存在するので、その壁の発生原因と考えられる上記の(1)と(2) への対策は、デジタル・ニッポン2017の実現にも必要なものと考える。(参考サイト5)

結局は、前記(1)と(2)を解決するためには、次の事の実施が必要であり、それがIoT産業革命の成功のキーポイントとなると考える。
出典: https://www.youtube.com/watch?v=9cY7mSWCR5c

その上で、イノベーション実現の仕組みを、社会のさまざまな階層に埋め込み、動作させる。(参考サイト4)

イノベーターは、遠くの星が見える数少ない人材である。イノベーションは、イノベーターが種火となって周囲を燃え上がらせることで発生する。(参考サイト6)

【参考サイト】
1. デジタル・ニッポン2017
https://www.hirataku.com/wp-content/uploads/2017/05/%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%8B%E3%83%83%E3%83%9D%E3%83%B320171.pdf
2. Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」(案)
http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/shin_sangyoukouzou/pdf/017_04_00.pdf
「新産業構造ビジョン」(案)一人ひとりの、世界の課題を解決する日本の未来
3. 信号⇒データ⇒情報⇒知識⇒知恵の段階的発展
http://www.patentisland.com/memo388.html
4. イノベーション創造のキーポイントを個人、組織、組織間関係、国家という階層で俯瞰する
http://www.patentisland.com/memo343.html
5. ホンダ イノベーション魂
【Part2】第1回 なぜ上司はイノベーションに反対するのか
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20130228/268804/?P=1
【Part2】第2回 “執行派”がイノベーションを潰す
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20130228/268805/?rt=nocnt
6.イノベーション成功までのイメージ
http://www.patentisland.com/memo365.html

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