388. 信号⇒データ⇒情報⇒知識⇒知恵の段階的発展

●信号は、物理的な検出装置から出力される何らかの物理量である。通常は電圧値や電流値という電気信号として取り出される。

●データは、信号をデジタル化して生成したものであり、所定の単位系のもとでの値が1個以上、所定のデータフォーマットで記述されている。

●情報は、データに1個以上のメタデータ(属性項目と属性値の組)を対応付けて管理したものであり、メタデータの一部をキーとして用いてアクセスすることも可能である。

●知識は、関係する複数個の情報の組として記述できる。例えば、情報Aと情報Bを用いた知識Cとして、A⇒Bと記述できる。具体的には、画像認識の事例知識として Aを犬1の画像、Bを犬という符号とすることができる。故障診断用の事例知識として、Aを装置2の異常音の特徴量、Bをエラー種別の符号とすることができる。
AもBも特定の対象を表現するために、定数やインスタンスを用いて記述される。

●知恵は、複数個の知識をもとに、帰納法や回帰分析などの方法を用いて生成した汎用知識である。知識と同じようにA⇒Bという基本構造を持っているが、AもBも 特定の事例に限定されたものではなく、汎用性のある表現をしている。すなわち、AやBは、変数やクラスを用いて記述される。
知恵の例としては、ニュートンの法則やピタゴラスの定理のような数式、偉大な哲学者や経営者の残した教訓などがある。 知恵を特定の対象に適用すると、知恵から特定対象向けの具体的な知識を多数生成することもできる。

データを知恵のレベルまで発展させることで、労働生産性を向上させて国家の発展を図るという戦略がある。(参考サイト1)


【参考サイト】
1. デジタル・ニッポン2017
https://www.hirataku.com/wp-content/uploads/2017/05/%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%8B%E3%83%83%E3%83%9D%E3%83%B320171.pdf

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