387. AIネットワークとロボットネットワークの将来展望

第4次産業革命は、センサーとIoTとAIとロボットを中心として、データを高度に活用するサイバー・フィジカルシステムによって実現される。
数十年先の未来のことになるであろうが、第4次産業革命がもたらす未来を妄想してみた。

サイバー空間は最終的にはAIネットワーク(参考サイト1)となり、フィジカル空間は最終的にはロボットネットワークとなる。
ロボットは、センサーとアクチュエータの両方を備えているので、ロボットネットワークはセンサーネットワーク+アクチュエータネットワークとも言える。

サイバー空間においては、AIネットワークは粒度の小さなAIによる局所的なAIネットワークや、粒度の大きなAIによる大局的なAIネットワークの階層が自然に できていくと考える。フィジカル空間においても、微小なロボットから巨大なロボットまで、多様なロボットが異なる粒度のネットワークを自然に形成していく。



当然、各AIは認識機能、学習機能、推論機能、問題解決機能を持つ。
各AIは、自分以外の他のAIからみた自分の挙動や特性についてのセンシングデータも得て、自己モデルを学習する。
その結果、AIネットワーク全体の維持・発展を最上位の価値基準とした強化学習が、AIネットワーク全体に対して行われ、その中で各AIにも自己の価値観としての 個別評価関数が形成されていく。
この個別評価関数と自己モデルを用いて、各AIが自己の挙動を決定していくようになるので、まるで、各AIが意志を持ったかのような状況となる。
人間は、AIネットワークとロボットネットワークの中で生活している。ロボットは現在の自動車のように、人間や物資の移動手段にもなる。
人間は、知性と権利とマネーについては、AIネットワークに大きく依存する。
人間は、肉体と居住環境と移動手段については、ロボットネットワークに大きく依存する。

その頃には、犬や猫や鳥などの動物もAIネットワークの支援を受けて、人間や他の動物との会話ができるようになり、権利やマネーを持ち、それらを使うようになる。
また、植物の中の一部の種類には、動物と同程度の反応速度で思考できるものが見つかり、AIネットワークの支援を受けて、犬や猫などの動物と同程度の権利やマネーも 持ち、中にはロボットを用いて自己の意志で移動する植物も現れる。

人間は、赤ん坊や子供の教育をAIとロボットに行なわせるようになる。その場合、教育のもとになる価値観は親が指定して、教育を担当するAIとロボットに守らせる。
ビジネスや行政や生活支援のために、人間がAIやロボットと会話する必要性を満たすため、全世界の人間とAIとロボットに共通の言語が、 国際連合のような国際機関によって開発される。
また、その頃までには、法律や契約はAIに作成と解釈が任されるようになる。議員や裁判官の恣意的な判断の回避と、迅速な処理のためである。
そのために、法工学がAIを応用して大きく発展する。

AIの発展と普及が原因となって、全世界の人間の言語と法律が統一され、人類史上初めて世界政府が発足する。

人間は、生活に必要な収入は、自分が所有しているAIとロボットを働かせて得る。AIには制限付きの法人格が認められている。
サイバー空間での各種の取引は、人間はAIに代理権を付与するとともに、価値基準を与えて、その価値基準のもとでの活動内容はAIに任せる。
AIは、自分の主人である人間のために、情報収集、分析、取引などを高速に実行する。
ロボットは体を持つために、だんだんと人間と似てくる。その結果、ロボットと人間の結婚を認めるかどうかという事が社会問題となる。
タンパク質を中心とした有機物で構成されたロボットが出てくるに及んで、ついにはロボットと人間の結婚を認める事態になる。
その後、ロボットとAIと人間の合体したような存在も次第に現れ、社会に混乱をおこしながらも、だんだんと社会に浸透していく。
【参考サイト】
1. AIネットワーク

特許戦略メモに戻る      前ページ      次ページ

(C) Copyright 2017 久野敦司(E-mail: patentisland@hotmail.com ) All Rights Reserved