281.土地取引の法的知識があれば焼肉店は繁盛する?

焼肉店の経営者が従業員に対して「焼肉店を繁盛させるためにはどんな知識を獲得すべきか考えよ」と指示したとします。
指示された従業員が、土地取引の法的知識を何年もかけて勉強し宅地建物取引主任の国家資格を得たとします。
焼肉店の経営者が、「そんな資格を得て、焼肉店が繁盛することと何の関係があるのか?」と問いただしたときに、従業員は次のように答えたとしたら、どうでしょう。

「焼肉店が繁盛するためには、おいしくて品質の良い牛肉が必要です。そのような良い牛肉を生産するためには質の良い牧草が育ち気候の良い土地が必要です。
そのような土地を入手するためには土地取引の法的知識が必要です。だから、土地取引の法的知識を懸命に勉強して宅地建物取引主任の国家資格を得ました。」

たぶん経営者は次のように言うでしょう。「それでは、君はおいしくて品質の良い牛肉を見分けたり、良い牛肉を育てるのに適した牧草地を見つけたりできるのか?」
それに対して、その従業員が「いえ、私は何年もかけて土地取引の法的知識の獲得に集中して勉強してきましたので、良い牛肉もわかりませんし、良い牧草地もわかりません」 と答えたとします。
経営者は言うでしょう。「お前は首だ。不動産屋に転職しろ」

この話を知財業界にあてはめると次のようになります。

焼肉店は事業です。
良い牛肉は商品です。
良い牧草地は知財です。
土地取引の法的知識とは、知的財産権法の知識です。
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