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２２７．株主資本主義を廃棄し、人と知的財産を大事にする人知資本主義に変革する事が必要

２００８年は、アングロサクソン型資本主義、すなわち投資銀行に駆動された金融資本主義と、その金融資本主義に駆動されて行なわれてきた株主資本主義が破綻した年であった。
すなわち、株式会社は株主の物であるという論理が破綻したのである。株主価値の最大化、すなわち企業の株式時価総額を最大化するという企業経営の目標そのものが間違っていたということがはっきりした。

経営資源は、「人」、「物」、「金銭」、「知的財産（情報）」である。
この経営資源の中で、「物」に価値があるのは、「物」が機能の媒体であるからである。

「物」が機能の媒体として有する能力は、太古の昔からの先人の創造した知的財産が「物」に蓄積し複製されて、「物」の構造が高度化し洗練することで実現してきたのである。
したがって、経営資源としての「物」の価値の大部分も実は、「人」と「知的財産」にあることになる。
経営資源の中の「金銭」は、他の本質的な経営資源を獲得したり流通するための媒体であり、金銭自身には本来は価値は無く、他の本質的な経営資源の流通を円滑にするための社会的な仕組みであるに過ぎない。物々交換がインターネットを活用した情報交換で円滑に実行できるならば、金銭は不要となる。

そう考えると、経営資源の中で最も大事なもの、価値創出の根源は「人」と「知的財産」という事になる。金銭を株式購入ということで提供する株主を最優先する株主資本主義は、価値創出の根源である「人」と「知的財産」を最優先しないので、経営としては間違っていることがわかる。

また、株主資本主義は「株主利益の最大化」を実現しようとするが、経済の本来の目的である「人間の幸福」を損なうし、「企業は社会の公器である」という普遍的な経営哲学にも反するので、株主資本主義は二重の意味で間違っている。

これからの資本主義は、人と知的財産を大事にしてイノベーションを促進する資本主義（人知資本主義）を手段として達成される、公益に寄与する資本主義（公益資本主義）に移行すべきである。

すなわち、労働分配率を向上させること、株主への配当金を減少させること、知的財産の創造者への分配を向上させること、全ての人の最低限の生活と向上のチャンスを保証することのための教育･医療の無料化などのProut型の社会システム（ラビ･バトラ氏の提唱するもの）の実現をすべきである。

２００９年からは、人と知財を大事にした経営が始まると思う。そして、この世界的大不況を打ち破るため、新たなイノベーションが日本から生まれると思う。

【参考サイト】
ラビ･バトラのProut and World Poverty - Part 1 of 4
ラビ･バトラのProut and World Poverty - Part 2 of 4
ラビ･バトラのProut and World Poverty - Part 3 of 4
ラビ･バトラのProut and World Poverty - Part 4 of 4
Thom Hartmann - Ravi Batra Interview Part 1 of 4
Thom Hartmann - Ravi Batra Interview Part 2 of 4
Thom Hartmann - Ravi Batra Interview Part 3 of 4
Thom Hartmann - Ravi Batra Interview Part 4 of 4
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