48. 堅牢な請求項を作成することが特許戦略の基礎です

いくら特許戦略を練っても、使用可能な特許権を保持していなければ、無意味なのは 当然のことです。
表面的にいくら広い権利範囲をもった特許権を保持しても、請求項が脆弱では権利行 使に使用できません。
請求項が脆弱になる原因には、次のようなものがあります。

1. 請求項が未定義の用語を含んでいる。
2. 請求項が、あいまいな概念の用語を含んでいる。
3. 請求項が、実施の態様と対応付けにくい用語を含んでいる。
4. 請求項が、複数の意味に解釈できる構成要件を含んでいる。
5. 請求項を構成する構成要件の間の関係が明確には表現されていない。
6. 請求項に、他の構成要件と関係を有しない「浮いた構成要件」が存在する。

脆弱になる原因を含まない請求項は堅牢であり、権利行使における無用な議論を避け ることができますし、特許権者も自分の特許権の権利範囲が明確にわかります。特許 権侵害訴訟では、請求項の権利範囲について、特に、上記の1から6のどれかの類型 に該当する事柄について争っている場合がほとんどです。訴訟にいたらずに権利行使 に成功すれば、権利行使の費用対効果比が向上します。その意味からも、堅牢な請求 項を作成することは特許戦略の基礎であると思います。
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