275.知財業務能力の発展段階

知財業務の本質は、知的財産を用いて形成する価値を事業を通じて顧客および社会に提供する中で、価値を提供する者である企業等の発展を図るために知的財産を より良く活用するものであると思います。この「知的財産をより良く活用する」という中に、知的財産権の活用も含まれます。

このような基本認識のもとで、知財業務能力の発展段階を設定してみると、下記の各段階のようになると思います。自分がどの段階の知財業務をしているのかを 自覚しながらさらに上の段階の業務ができるように修練を積むことが必要と思います。国家試験に合格しただけでは第1段階にやっと到達しただけであると思います。

第1段階: 知財業務に必要な主要な知的財産権法を理解できている。

第2段階: 知的財産権法を特に意識しなくても、知的財産権法に適合した知的財産権関連の手続きができるようになっている。

第3段階: 知的財産権関連手続きを特に意識しなくても、知的財産権関連手続きに適合して、知的財産権の取得や維持や活用などの業務ができるようになっている。

第4段階: 知的財産権を特に意識しなくても知的財産権に適合して、知的財産の将来の発展による価値や応用展開で提供できる価値を予測しながら、それらの価値 を顧客や社会により良く提供するための仕組みや戦略を構想し実行できるようになっている。

第5段階: 全社的観点や社会の観点で、知的財産を含む多様な資源を組み合わせ、関係者のやりがいと社会の多数の人々の幸せを増進できる活動を構想し、一企業を 超えた連携関係を構築して、それらを運営できるようになっている。
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