274.「企画」が項目名称と予算額と時期だけの中身になりがちな原因と対策

国でも地方自治体でも企業でも、企画というものが退化してしまうと、企画の中身が項目名称と予算額と時期だけの存在になりがちである。
最も重要な、企画の目的や企画の具体的内容や成功のためのキーとなる要素、実行体制、実行を適切に制御するための評価指標や評価指標に 基づいたアクションなどが欠落した企画になりがちである。

その根本原因は、企画の立案者および企画認可者から「志」が喪失し、価値ある事を達成するよりも責任回避しながら、自分の立場や利益 を楽に確保しようという「利・楽」を思考と行動の原理にすることにある。
その結果、リスクが少なく楽である「前例踏襲横並び主義」の一種である前年度を参考にした企画や、抽象的で中身がない項目名称と予算額 だけを列挙した企画となるのである。すなわち、未来を予測したり、未来を創造しようとしたり、新しい原理や方式にチャレンジしようという リスクを伴ったり、責任を伴うような内容の企画を回避し、前年度とほぼ同じ内容でほぼ同じ予算という企画としてしまうのである。 それがさらに進行すると、経理指標で物事を進めるという経理主導経営にまで経営が劣化してしまう。
そうなると、企業は死んだ干物と同じであり、価値創出機能を失い、墜落に向けて滑空するだけの存在となる。
企画にはリスクや不確定性にチャレンジしながら、真・善・美・愛を駆動力とし、知的財産を源とする価値創出を行なうという「志」が必須である。
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