240.学生の構想力と問題設定能力増進が必要

世界的に各種の資源が枯渇に向かっている。食料、エネルギー、鉱物資源などである。石油資源はピーク オイルに到達した。それに伴い、世界の大国は何らかの表向きの理由を作りながら、エネルギーや地下資 源の豊富な地域の支配に向けて動いている。また、基軸通貨としてのドルの信用の低下に表れた米国の覇 権の喪失に伴ない、世界はグローバル経済から地域ごとのブロック経済に向かいつつある。

こうなると、日本は貿易を通じて外貨を稼ぎ、外貨で必要な物資とエネルギーを輸入して、生きて行く事 が困難な方向に向かっている。
今後の20年くらいの日本の国家戦略として、日本の国土と排他的経済水域で得られる太陽光エネルギー、 水、各種の鉱物資源、海水などを用いて、日本の国民の生活に必要な物を生産でき、消費し、廃棄物を処 理できる体制に向けた大規模なイノベーションが必要である。そのためには、政治が長期的なビジョンを 明確にして政策体系をそれに向けて結集することが重要である。

そして、中でも若者の構想力と問題設定能力を大幅に増進する政策をすぐにでも始めねばならない。 与えられた問題を要領よく解くだけ、過去問題ばかりをして、構想力や問題設定能力を消滅させ、意味の 無い受験テクニックばかりを伸ばして現実の課題を解決できない若者の大量生産をしている現状を変えね ばならないと、思う。すなわち、若者が知的財産を創造する能力、知的財産を用いて産業や文化を発展 させる能力を身につけることこそが、もっとも重要である。

知的財産権を取り扱うわれわれは、知的財産の創造活動や知的財産の産業や文化への活用の障害とならな いように、できるだけ自動的にそして、できるだけ高速でローコストに知的財産権の処理をできるような 体制を提供すべきである。
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