216. 地域を活性化するイノベーションエンジン

イノベーションエンジンとは、サイクルを形成するように構成された複数のプレイヤーの相互作用に よって、技術と人材と知識と富が次々に新たな組み合わせを実現しながら、周囲に価値を提供して、 イノベーション創造活動に参加するプレイヤーを増やしつつ回転するというものである。
京都イノベーションエンジンにおいては、次のようなプレイヤーの結合によって、イノベーションエンジン を形成している。

(1)ベンチャー企業群
(2)ベンチャー企業群の中から有望なものを抽出し、そのベンチャー企業の成長の支援をするプレイヤーA
(3)大学の研究室のシーズ技術の中から、産業応用の可能性の高い技術群を抽出するプレイヤーB
(4)MOTやMBAや知財の大学院の大学院生であって、学習したことの実践意欲の高いプレイヤーC
(5)プレイヤーAの抽出したベンチャー企業に、プレイヤーBの抽出した技術群の中から適切な ものを選択して組み合わせ候補とすると共に、プレイヤーCにベンチャー企業とシーズ技術を結合する事業・技術・特許の統合戦略の提言を促し、 プレイヤーCの提言に適切な指導と助言をするとともに、可能であれば、提携相手としてさらに組み合わせ可能な大企業とも ベンチャー企業をマッチングするプレイヤーD
(6)プレイヤーCとDの活動の結果として生じた、ベンチャー企業と大学のシーズ技術、可能であれば さらに大企業との組み合わせからなる、価値ある組み合わせが、 具体的な提携関係(共同開発契約や商取引きなどによる関係)になるように支援するプレイヤーE

プレイヤーAからプレイヤーEまでの活動によって、大きく成長することができたベンチャー企業 が、プレイヤーAからプレイヤーEの活動資金を寄付として提供するか、イノベーションエンジンの 稼動する地域での税収増加をもたらし、その地域での税収の一部を用いて、プレイヤーAから プレイヤーEまでの活動(イノベーションエンジン)を支えることができれば、イノベーションエンジンの拡大回転が可能となる。
このようなイノベーションエンジンの仕組みで、イノベーション創造を地域で行なうことが可能である。
プレイヤーDの例として、BPASがある。
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