156.材木と木炭と火鉢

知的財産と知的財産権の関係は、材木と木炭の関係に似ていると思います。
材木は、それを組み合わせて大規模な建物を構築することができます。
材木のままですと、湿っていたり長さにばらつきがあったりで、火鉢での使用に不向きです。
火鉢の中に木炭を入れて火をおこして暖をとることで、外部からの突風で火が消えたりすることもないよう に小さな火が保護されます。

しかし、火鉢に木炭を入れて暖をとっているだけでは、多数の火鉢ごとの木炭が協働して大きな炎を上げた り、炎が発するエネルギーを用いてタービンを回すことはできません。
知的財産権は、種火を保護しますが、産業の発達のためには種火のままそれぞれ孤立させるのではなく、 協働させる仕組みが必要です。
弁理士は、材木を見て、このあたりの枝は木炭に使えそうだと判断して、それを切り取り木炭に加工します。
企業の知財部は木炭を火鉢に入れて、種火をつくり事業部門が暖をとりながら成長することを助けます。
しかし、引きこもりのように家の中で暖をとっているだけでは事業は大きく成長を遂げることはできません。 火鉢のそばで暖をとって温まりながら、汁粉を飲んで、ミカンを食べて外に出て、活発に仲間と遊ばねばな りません。

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