132. 5種類の特許リスク

知財保護の法制度の充実、企業法制の変化によって、特許リスクのバリエーションが増加している。
しかし、これは特許を用いたチャンスの増大の影響でもある。
第1種の特許リスク:自社製品や自社のサービスが他者の特許権を侵害することによるリスク
第2種の特許リスク:自社製品を部品として組み込んだ顧客製品についての自社の侵害責任に起因するリスク
第3種の特許リスク:自社特許の発明者との間に発生し得る、@特許を受ける権利の譲渡の有無に関する紛争リスク 、A譲渡対価に関する紛争リスク、B発明者が複数人の場合の発明者間の持分に関する紛争リスク
第4種の特許リスク:価値ある自社特許の存在に起因して企業買収のターゲットにされるリスク
第5種の特許リスク:価値ある自社特許の活用が不十分であるとか、不適切であるとして株主や従業員などの ステークホルダーからクレームを受けるリスク

これらの特許リスクの中では、第2種の特許リスクは金額面では巨大となるので注意が必要である。部品としての 自社製品の販売金額よりも、その部品を組み込まれたシステムとしての顧客製品の方が販売金額が大きいため である。
また、第4種と第5種の特許リスクはこれまでは、ほとんど意識されたことがなかったので、対策がほとんど できていないので、注意が必要である。

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