8. 知的財産の役割

人間は幸福を求めているという事、幸福はカネでは買えないという事、この世は永遠の幸福の状態である 解脱のための修業の場であるという考え方などからみますと、田坂氏の日本型資本主義の精神はしっくり くるものがあります。
振り返って、知的財産の役割について考えますと、知識の創造と普及と選択と適用を、うまくコントロール して、幸福の総和を増大させ、不幸の総和を減少させることで、自己組織システムとしての人類社会の価値 を向上させることを可能とするというものが知的財産システムの役割だと思います。
限りある資源の中での生存のためには競争がどうしても発生しますし、競争が進歩を生むことも事実です。
田坂氏の指摘する日本型資本主義は、競争と幸福を調和したレベルまで進化したものであり、アングロサク ソン型資本主義は、競争を中心としたレベルに留まっており、日本型資本主義への進化の途上にあると思い ます。
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