134.日露戦争での203高地の攻防に学ぶ特許戦略

 特許戦争は武力を用いず知力を用いた戦争であるが、武力を用いた戦争と同じような考え方が適用できる。

1904年から1905年にかけて行なわれた日露戦争は、現在の中国と北朝鮮の国境付近にある遼東半島を 支配して黄海そして日本海の制海権を手に入れて日本を含む極東を支配しようとしてきたロシアと、遼東半島 を支配し制海権を手に入れたロシアが出現したら日本もロシアに侵略されてしまうと確信した日本の戦いであ った。
そして、この戦いの帰趨は遼東半島の先端にある旅順港を基地とするロシア極東艦隊に強大なバルチック艦隊 が合流する前に、ロシア極東艦隊を殲滅できるかどうかにかかっていた。
そして、そのためには旅順港の出入り口を封鎖するか、旅順港内のロシア極東艦隊を砲撃によって撃滅すると いう2つの方策しかなかった。
旅順港の出入り口の封鎖はロシアの旅順港要塞からの砲撃によって失敗したため、旅順港内のロシア極東艦隊 を艦砲射撃によって撃滅する方策しか、日本にはなくなった。
艦砲射撃を旅順港内のロシア極東艦隊の艦船に命中させるためには旅順港を見下ろせる203高地を確保して、 艦砲射撃を誘導する事が必須となったのである。
そのため、小さな203高地を6万人の日本軍の死傷者を出してまで、日本国の運命のために確保したのであ る。


出典: http://www.fiberbit.net/user/jp-yamataka/newpage17.htm

この日露戦争での203高地と同じように、事業の生き残りのためには確保しなければならない要となる技術 や市場がある。
戦略上の重要な技術や市場の確保のためには、強大な特許戦力の投入が必要であるが、そのためには、 その技術や市場が本格的に重要になる前にその重要性を認識し、大きな資源を投入して、その技術についての 研究開発および特許権の取得などを行なわねばならない。
そして、重要な技術と特許を確保できたなら、 それらを事業のために効果的に活用しなければならない。

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