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404. 価値デザイン社会に必要な「尖った人材(異才)」と「洞察力を持った経営人材」と創造的思考

2018年に知財戦略ビジョンが作成されるまでの約15年間の知的財産推進計画は、大雑把に言うと知的財産権を用いた法的保護体制の拡充を中心とするものであった。


上図の出典: 参考サイト1

それが、知財戦略ビジョンでは、尖った人材を認め支援し、様々な分野の尖った人材からの多様なアイデアを融合し、アイデアをニーズとシーズの間でマッチングさせて、
流通させるとともに、共感によってアイデアが価値を実現しやすくするという「価値デザイン社会」となった。
すなわち、知的財産権および知的財産権法は主役から脇役となった。(参考サイト1)


上図の出典: 参考サイト1

●「尖った人材(異才)」を認めて伸ばすためにはどのような条件が必要だろうか?

「尖った人材(異才)」を伸ばすためには、適切な仕事が、その異才には必要となる。仕事の中でこそ伸びるからである。
そうすると、異才を伸ばすためには、将来の事業や産業の構想を広く描き、その構想の中で異才を使いこなせるような洞察力を持った経営人材が不可欠となる。
私が構想して推進していた「センシングデータ流通市場」のプロジェクトにおいても、そのような経営人材に巡り合うまでは、茨の道であった。
プロジェクト開始の数年後に洞察力を持った経営人材に巡り合い、社内外での賛同が得られ、経営資源の投入が決定され、やっとプロジェクトが離陸を開始した。
離陸を開始したので、参考サイト2の記事の著者にプロジェクトを引き継ぐことができたのである。

すなわち、知財推進計画2019でいう「価値デザイン社会」には、「洞察力を持った経営人材」が欠けているので、これを付け加える必要がある。

これを一般化して言うと、知財戦略ビジョンにおいても、知財推進計画2019においても、新たな価値創造(イノベーション)のための具体的組織論である
「ブレンドメソッド気質モデル」と「城郭石垣グリッドモデル」による最適組織構築の方法を付け加えることが必要である。



●イノベーティブなアイデアを創造する尖った人材(異才)は、どのような人材であろうか?

新たな価値観を世界初で自分自身で創造すれば、その価値観のもとでの価値や、その価値を実現するための課題は、続々と発見できる。
ただし、周囲の人々からは、変な価値観を持っているな、何を言っているのか判らないとか、奇人変人扱いをされる。
そのような環境の中でも、自分の創造した価値観と創造したビジョンを貫いて、その実現に向けて努力できる強さを持った人材が尖った人材(異才)になれるのである。
「俺は変人だ。」と鏡に向かってや、家族や職場の知人に向かって、堂々と言えるようにならねば、尖った人材(異才)にはなれない。
尖った人材(異才)は、創造的思考ができるとともに、強さも兼ね備えた人材である。

●イノベーションは、どのような思考から創造されるのであろうか?

イノベーションは、問題が存在する状態空間の軸も構造も未知であり、特異点の存在の有無や位置や性質も未知であり、
その結果、どのように状態空間を分割すれば特異点を回避した線形制御可能な部分空間の組み合わせになるかも判らないところから開始する活動である。

しかし、イノベーションを起こそうという志が生じるのは、ぼんやりとだが状態空間の軸や大変に価値ある位置のイメージを獲得できた目利き者がいる場合である。
イノベータは、その志と目利き能力に駆動された試行錯誤や洞察の繰り返しや、他の分野からの知見の導入などをもとに、問題が存在する状態空間の軸や構造を明確にしながら、特異点を
回避した状態空間の分割の方法を編み出し、問題解決策を線形制御の組み合わせとして創造し体系化していくのである。

目標を定量的に設定して、PDCAサイクルを回して目標を達成するというマネジメント方法は、オペレーション業務には適用できるが、イノベーションには原理的に適用不可能である。
なぜならば、イノベーションでは目標を定量的に表現できない状態空間を取り扱っているからである。

●そもそも創造的思考は、どのような仕組みで行なわれるのであろうか?

創造的思考でも演繹的思考でも、思考は脳内に「概念に対応したシミュレータ」が発生することで行なわれる。

言葉は記号であるが、その記号に意味を与えているものは脳内に発生するシミュレータである。シミュレータは静的な構造を持つだけのものもあれば、動的に動くものもある。
脳はシミュレータを学習によって形成し、記憶し、呼び出して再現して活動させる能力を持っている。
人間はこれまで、五感を通じて得たセンシングデータを用いて脳内にシミュレータを自己組織機能によって形成させたり、言語を視覚や聴覚から受け取って、
各言葉に対応した複数個のシミュレータを想起させ、シミュレータ間の結合まで形成して、言語で表現された文章の意味する内容を脳内シミュレータによって把握していた。

創造的思考は、各種の発明発想法によって実行しやすくなるのではあるが、発明発想法自身が創造的思考の実態ではない。
創造的思考は、次のような段階を経て実現する深く広い思考である。

(段階0): 意識が集中していない時は、脳内に色々な思いが泡のように出ては消える。
(段階1): 意識の集中によって、脳内に特定概念のシミュレータが出現する。(何らかのテーマへの意識集中)
(段階2): さらに意識を集中すると、脳内のシミュレータ部分が脳内の他の領域から情報を吸い込んでいく。そして、渦のように深く広い構造を形成していく。
(段階3): だんだんと、より高度で抽象的な領域にまで脳内シミュレータエンジンは深まっていく。そして、脳内に高度な概念構造のシミュレータができていく。
そのシミュレータは、ニューロンの大群が作る感性場というパターンを形成する。この段階では、個人の潜在意識が働きを開始して、高度な概念構造のシミュレータを用いて、
問題解決の解のパターンを探索する。問題解決策の解となるパターンができたなら、それを潜在意識は意識に対して「閃き」として、報告する。
意識は、問題解決策を示す、感性場のパターンを認識して、言語で表現すると、それが発明となる。
(段階4): 脳内シミュレータの活動がさらに活性化すると、情報のやりとりをされる範囲は、1人の脳内を越えて宇宙空間へと拡大していく。
そして、真空に記録されたアカシックレコードへのアクセスも行うレベルに達する。そうすると、時空を超えて情報のやりとりができる。



●これからの若者はどうなるのか?

2019年6月の国会で可決成立した教育情報化推進法(参考サイト3、4)は、拡張現実技術や人工知能技術を教育にふんだんに用いることで、高度で精密で複雑な概念を瞬時に脳内に取り込んで、
脳内に高度なシミュレータ群構造を形成し、それを日常的に使いこなせる新人類を育てることになる。
そのような新人類は、我々のような旧世代においては稀にしか現れなかった広い視野と洞察力を持った天才(例:レオナルドダビンチ、聖徳太子、釈迦)のようなレベルが、
どこにでもいる普通の子供たちのレベルになると思う。
このような素晴らしい世界を、我々の子供たちが築けるようにすることを、我々世代は支援しなければならない。

【参考サイト】
1. 知的財産推進計画2019
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/kettei/chizaikeikaku20190621_gaiyou.pdf#page=5
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/kettei/chizaikeikaku20190621.pdf
2. イノベーションを加速させる多彩な人材、「起承転結」の4タイプとは?
https://tech.nikkeibp.co.jp/it/atclact/active/18/101500038/011700009/?ST=act-mono
3. 教育情報化推進法が成立しました。
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakamura-ichiya/20190622-00131047/
4. 学校教育の情報化の推進に関する法律案
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g19705013.htm
5. 知的財産戦略ビジョン(サマリー)2018年6月12日 内閣府知的財産戦略推進事務局
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/kettei/chizai2018_smmry.pdf

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